邦題、「ファースト・アルバム」。
まだサイケデリック・ロック路線で、しっとりと曲を聞かせる、といった印象。 いわゆる「プログレ」という方向性ではありません。
初代ギタリスト、ピーター・バンクスの少しジャズがかったギターが聞き所かな。
この人はビートルズのカバーである6の「Every Little Thing」に、 これまたビートルズの曲「Day Tripper」のギターリフを織り交ぜたりとかなり遊んでますね。 |
邦題、「時間と言葉」。イエスのセカンド・アルバム。
1stのサイケデリック路線を継承しながらも、オーケストラとの融合を図った作品。そのためバンクスのギターは影が薄くなっています。 それに不満を思ったのが、パンクスは今作品のリリースを待たずに脱退してしまいます。 |
邦題、「サード・アルバム」。
2ndとは打って変わって、一気に「プログレ」してきた作品。 後任ギタリストのハウの影響なのかどうなのか。
それはともかく、そのハウがいきなりの大活躍!!
全編に渡って彼のギターが印象的に響き渡っています。
一方、今作でキーボードを担当しているのは、トニー・ケイ。
ド派手なキーボーディスト、リック・ウェイクマンが加入するのは次のアルバムからなので、それらのアルバムに比べると地味な印象は拭えませんが、 逆にいえば、「プログレ」しているイエスの作品の中で唯一、ケイが全面的に参加しているアルバム。 彼の堅実なピアノ・オルガンプレイが演出する、物静かで落ち着いた雰囲気は、このアルバムの大きな特色と言えるでしょう。
1. Yours Is No Disgrace
10分近い大作。ハウのギターが大活躍。
冒頭のいい意味で「アバウト」なバッキングといい、 50秒付近や6分20秒付近の、華麗で流麗なフレーズといい、いい仕事をしている! 4分50秒付近や8分10秒付近から始まるギターソロにも注目。
3. Starship Trooper
こちらも10分近い大作。
ジョン、クリス、ハウがそれぞれ作曲した3曲が一体となった組曲。
a. Life Seeker
ジョンが作曲した1曲目は、ゆったりとした曲調ながらも、 クリスのベースがかなり遊んでいて、おもしろい。 また、2分40秒あたりに右から入ってくるシンセも、神秘的な雰囲気を上手く演出していて、いい。
b. Disillusion
3分15秒付近からは、クリスの作曲した2曲目。 1曲目に被さるような形で唐突にハウのアコースティック・ギターが入ってきて、ガツンとやられる! そのギターを伴奏に、ジョンとクリスがハーモニーを聞かせる。
c. Wurm
5分35秒付近からは、ハウの3曲目。 わずか3コードという大雑把な構成のこの曲をバンドが大げさに演奏して、曲は終わる。
4. I've Seen All Good People
有名曲。ライブの定番曲で、盛り上がる。
ジョン作曲のゆったりとしたトラディショナルな前半と、 クリス作曲のワイルドなシャッフルの後半からなる組曲。
a. Your Move
後ろから聞こえてくるフルートがいい味を出している! ジョンのボーカルが徐々にテンションを高めていく様子にも注目。 特に計3回歌唱される「for the queen to use」という歌詞の部分に注目すると、 回数を重ねるごとに声に力を込めていくのが分かる。 弾ける後半への布石か。
b. All Good People
3分30秒付近から、若干の沈黙の後、突如として流れだす騒がしいシャッフル曲。 前半と強烈なコントラストを効かせ、一番最初に聞いたときには意表を付かれる。 よくこの2つを組曲にしようと思ったなあ。(笑) ハウのギターがとにかく目立つ!縦横無尽に駆け回っている。 |