ミュージシャン


Yes [Wikipedia] [YouTube] [Amazon]
綺羅びやかなジョン・アンダーソンのボーカルが印象的な、プログレッシブロック・バンド。
他にもプログレ界を代表するド派手なキーボーディスト、リック・ウェイクマンや、
様々なジャンルにバックボーンを持つギタリスト、スティーヴ・ハウ、
高い音程を駆使しベースラインをメロディアスに聞かせるベーシスト、クリス・スクワイアなど、個性的なメンバーが集結。楽しいバンドです。
基本的にはこれらのメンバーが技巧的なプログレッシブ・サウンドを聞かせるバンドなのですが、メンバーの移り変わりが激しいのも大きな特徴。
中でもトレヴァー・ラビン、トレヴァー・ホーンの両名が参加したアルバム、「ロンリーハート」は、ポップなサウンドで大ヒットを飛ばしました。
主なメンバー
ジョン・アンダーソン
甲高くて透き通るような声がとても印象的な、バンドのボーカリスト。
個性的なメンバーが多く集まるイエスにあって、その声ひとつで大きな注目を集めることができるのは、流石としかいいようがありません。
バンドのシンボル的存在。
また、非常に難解で哲学的な歌詞を書くのも特徴。
クリス・スクワイア
イエスから一度も抜けたことがないという、唯一の人物。バンドのベーシスト。
ベーシストとしてはかなり異色で、高音域を巧みに操りメロディラインを聞かせるのが特徴。
音色も「ゴリゴリ」とした感じで、聞いていて心地がいいです。
コーラスとしても優秀で、たまにジョンとの掛け合いを見せたりして、曲を盛り上げます。
スティーヴ・ハウ
3rdからイエスに加入した、バンドのギタリスト。
「ロック・バンド」であるイエスに身を置きつつも、ロック要素の薄いギターを弾くのが特徴。
いや、正確にいうと、ロック以外の様々な要素をバックボーンに持つため結果的に薄まった、といえるでしょう。
それに加えて、かなり独特なタイム感を持っているのも大きな特徴。
場合によっては「リズム外してんじゃねーか?」というぐらいなのですが、それが何とも言えない味を出しています。
リック・ウェイクマン
4thからイエスに加入した、バンドのキーボーディスト。
超絶技巧のキーボーディストで、ライブではシンセサイザーを何台も何台も並べて、曲の場面場面ごとに使用するキーボードを変えていくという、いわゆる「マルチ・キーボード」の先駆け的存在。
シンセサイザーの多種多様な音色を駆使して、サウンドに彩りを与えてくれます。
ビル・ブラッフォード
バンドのドラマー。5thを最後に脱退。
ジャズがかったドラマーで、いわゆる一般的なロック・ドラマーとは一線を画します。繊細なタッチが魅力。
特にスネアやタムの使い方が独特で、ロックに聞きなれた人が聞くとどことなく煮え切らない、といった印象を持つと思います。(笑)
何というか、最後までやらない、というか。いや、そこがいいんですけどね。
また、リズムのとり方も特殊で、これまた独特のタイム感を持つ、ギターのスティーヴ・ハウとの相性は抜群です。
ディスコグラフィー
01. Yes
02. Time and a Word
03. The Yes Album
04. Fragile
05. Close to the Edge
06. Tales from Topographic Oceans
07. Relayer
08. Going for the One
09. Tormato
10. Drama
11. 90125
12. Big Generator
13. Union
14. Talk
15. Keys to Ascension
16. Keys to Ascension 2
17. Open Your Eyes
18. The Ladder
19. Magnification
20. Fly from Here
1. Yes (1969)
邦題、「ファースト・アルバム」。
まだサイケデリック・ロック路線で、しっとりと曲を聞かせる、といった印象。 いわゆる「プログレ」という方向性ではありません。
初代ギタリスト、ピーター・バンクスの少しジャズがかったギターが聞き所かな。
この人はビートルズのカバーである6の「Every Little Thing」に、
これまたビートルズの曲「Day Tripper」のギターリフを織り交ぜたりとかなり遊んでますね。
2. I See You
バーズのカバー。
中盤のバンクスのギターとビルのドラムスの絡み合いは圧巻。
2. Time and a Word (1970)
邦題、「時間と言葉」。イエスのセカンド・アルバム。
1stのサイケデリック路線を継承しながらも、オーケストラとの融合を図った作品。そのためバンクスのギターは影が薄くなっています。
それに不満を思ったのが、パンクスは今作品のリリースを待たずに脱退してしまいます。
3. The Yes Album (1971)
邦題、「サード・アルバム」。
2ndとは打って変わって、一気に「プログレ」してきた作品。 後任ギタリストのハウの影響なのかどうなのか。
それはともかく、そのハウがいきなりの大活躍!!
全編に渡って彼のギターが印象的に響き渡っています。
一方、今作でキーボードを担当しているのは、トニー・ケイ
ド派手なキーボーディスト、リック・ウェイクマンが加入するのは次のアルバムからなので、それらのアルバムに比べると地味な印象は拭えませんが、
逆にいえば、「プログレ」しているイエスの作品の中で唯一、ケイが全面的に参加しているアルバム。
彼の堅実なピアノ・オルガンプレイが演出する、物静かで落ち着いた雰囲気は、このアルバムの大きな特色と言えるでしょう。
1. Yours Is No Disgrace
10分近い大作。ハウのギターが大活躍。
冒頭のいい意味で「アバウト」なバッキングといい、
50秒付近や6分20秒付近の、華麗で流麗なフレーズといい、いい仕事をしている!
4分50秒付近や8分10秒付近から始まるギターソロにも注目。
2. Clap
ハウによるカントリー風味の、 疾走感あふれる楽しいアコースティック・ギター・ソロ。ライブ音源。
3. Starship Trooper
こちらも10分近い大作。 ジョン、クリス、ハウがそれぞれ作曲した3曲が一体となった組曲。
a. Life Seeker
ジョンが作曲した1曲目は、ゆったりとした曲調ながらも、 クリスのベースがかなり遊んでいて、おもしろい。
また、2分40秒あたりに右から入ってくるシンセも、神秘的な雰囲気を上手く演出していて、いい。
b. Disillusion
3分15秒付近からは、クリスの作曲した2曲目。
1曲目に被さるような形で唐突にハウのアコースティック・ギターが入ってきて、ガツンとやられる!
そのギターを伴奏に、ジョンとクリスがハーモニーを聞かせる。
c. Wurm
5分35秒付近からは、ハウの3曲目。
わずか3コードという大雑把な構成のこの曲をバンドが大げさに演奏して、曲は終わる。
4. I've Seen All Good People
有名曲。ライブの定番曲で、盛り上がる。
ジョン作曲のゆったりとしたトラディショナルな前半と、 クリス作曲のワイルドなシャッフルの後半からなる組曲。
a. Your Move
後ろから聞こえてくるフルートがいい味を出している!
ジョンのボーカルが徐々にテンションを高めていく様子にも注目。
特に計3回歌唱される「for the queen to use」という歌詞の部分に注目すると、 回数を重ねるごとに声に力を込めていくのが分かる。
弾ける後半への布石か。
b. All Good People
3分30秒付近から、若干の沈黙の後、突如として流れだす騒がしいシャッフル曲。
前半と強烈なコントラストを効かせ、一番最初に聞いたときには意表を付かれる。 よくこの2つを組曲にしようと思ったなあ。(笑)
ハウのギターがとにかく目立つ!縦横無尽に駆け回っている。
5. A Venture
小品。後半にはケイのピアノソロが聞けます。
6. Perpetual Change
9分近い作品。
前半までは凡庸な印象だが、4分20秒あたりでゆったりとジャズっぽい演奏を聞かせた後、
5分10秒あたりからは突如ポリリズム変拍子を交えた強烈な曲調へと方針転換。
これにハウのハチャメチャなギターソロが加わり、カオスな状況に。
6分30秒あたりからはまた最初の曲調に舞い戻り、何ごともなかったかのように終わる。
まるで大型の台風が猛スピードで去っていったかのようだ。(笑)

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