ミュージシャン


XTC [Wikipedia] [YouTube] [Amazon]
能天気で、ひねくれている、そんなニューウェーブ・バンド。
歌詞もとぼけていて、おもしろおかしいです。
初期ははっちゃけていて、キーボードもボーカルもとにかく元気。
キーボードのバリーが脱退した3rdからは、徐々に落ち着いてきて、一筋縄ではいかないポップスを聞かせています。
主なメンバー
アンディ・パートリッジ
バンドのボーカルで、フロントマン。大体の変態的な楽曲はこの人によるもの。
コリン・モールディング
ベーシスト。作曲もたまに担当。ポップな曲も書け、たまにシングルになったりする。 また、自身の楽曲では自ら歌う。
バリー・アンドリューズ
キーボーディスト。この人のキーボードはXTC初期において大きなアクセントだった。
編曲面でも影響力があったようで、この人が抜けてからXTCは転換期を迎える。
ディスコグラフィー
01. White Music
02. Go 2
03. Drums and Wires
04. Black Sea
05. English Settlement
06. Mummer
07. The Big Express
08. Skylarking
09. Oranges & Lemons
10. Nonsuch
11. Apple Venus Volume 1
12. Wasp Star (Apple Venus Volume 2)
1. White Music (1978)
XTCのデビューアルバム。
とにかくせわしなくて、騒々しいという印象。 ギターとキーボードがそれを演出しています。
しかし、5のStatue of Libertyのようにアンディのポップ感覚が遺憾なく発揮されている曲もあり、飽きさせません。
1. Radios in Motion
呑気な曲調で電波について歌う。電波って、あのラジオとかの電波です。
歌詞の意味自体はよくわかりませんが、彼らの脳天気な一面がよく出ています。
サビで左から聞こえてくるファルセットが素敵。
2. Cross Wires
コリン作曲。
3. This is Pop シングル曲
シングルにもなった曲。アルバムのハイライトなのかな。
ざらついたギターで、シリアスなイントロから始まります。 シリアスなままかと思いきや、Bメロで方向転換。サビでは一転ポップな曲調に。
アンディの作曲センスが光ります。歌詞もおもしろい。 サビでのバリーの小気味良いキーボードも聞き所。
PVではレコードを片手に「This is Pop!」と叫んでいます。
4. Do What You Do
小品。後半でしらじらしく転調するところが笑える。
5. Statue of Liberty シングル曲
ニューウェーブ・バンドとは思えないほどポップ! アンディのポップセンスがもう垣間見えている。
バリーがキーボードでこれでもかと活躍しているので、彼ららしさもある。
6. All Along the Watchtower
ボブ・ディランのカバー。
7. Into the Atom Age
少々騒々しいながらもポップな曲。
原子力の時代に、便利な時代にオレたちは向かっている、と脳天気に歌っている。
思想的な意図は恐らくないでしょう。(笑)
8. I'll Set Myself on Fire
コリン作曲。なかなかキチガイ。
9. I'm Bugged
タイトル通りバグってしまった男の歌。曲自体も確かにバグっている。
10. New Town Animal in a Furnished Cage
短いが、7のInto the Atom Ageと同じようにポップさが出ている。
12. Neon Shuffle
相変わらずせわしなく騒々しい。何をそんなに焦っているのかという感じ。(笑)
Bonus Track
13. Science Friction シングル曲
ポップな曲。シングルにもなった。
14. She's So Square
ちょっとオシャレでメロウなイントロで始まったと思ったら、 数秒経てばやはり彼らお得意の曲調だった。
しかも時代遅れの女性をバカにするという歌詞。(笑)
15. Dance Band
ラップ気味のボーカルに、スカっぽいリズム。ノリノリでダンスについて歌う。
16. Hang on to the Night
10のNew Town Animal in a Furnished Cageと同じようなポップな曲調。
17. Heatwave
2. Go 2 (1978)
1stと同年に発売された2nd。デビューした勢いで、短期間で録音したようです。
ジャケットが面白い。文章の羅列。ちなみに、一番最初には「This is a RECORD COBER.」と書いてある。うむ確かに。(笑)
バリーが在籍していたのはこのアルバムまで。
基本的に1stと同じ方向性ですが、怪しげな曲が増えたように感じます。コード進行とか雰囲気とか。
1. Meccanik Dancing (Oh We Go!)
「オーウィーゴー!」と連呼するコーラスが気持ちいい。
サビ後半の怪しげなコード進行もいい!このアルバムで一番好きな曲。
3. Buzzcity Talking
コリン作曲。この人は「なにやら奥ゆかしい曲」を作るのが上手い。
4. Crowded Room
コリン作曲。
「人混みあふれた部屋でお前を見つけたけど、オレは人混みが嫌いなんだよ!
あきらめるか。早く出よう、非常階段はどこだ!!」という意味不明な歌詞。(笑)
サビの後半、(Walk down the fire 〜)に見せる唐突な展開が、初期のトーキング・ヘッズにそっくり。
6. Red
勢いで押し切る曲。アンディがひとしきり叫んだ後、唐突に終わる。
7. Beatown
8. Life Is Good in the Greenhouse
ほんわかしながらも怪しげな雰囲気の曲。歌詞では、「温室育ち」を自慢している。
10. My Weapon
バリー作曲。賑やかでなかなかいい。
12. I Am the Audience
コリン作曲。 サビではアンディのコーラスとコリンのボーカルが交わる。怪しげなベースもいい。
Bonus Track
13. Are You Receiving Me? シングル曲
3. Drums and Wires (1979)
キーボードのバリーが抜け、ギターとキーボード、両方弾ける器用なデイヴが加入した3rd。
キーボードが弾けるといってもそれが目立つようなことはなく、主にギターに重きが置かれているようです。
前作までは大雑把だったギターが、細かく動き回っています。
前作、前々作はバリーが大活躍していたので、それと比べると今作は地味かな。大人しめな曲が多め。
しかし、彼らの独特な「怪しさ」は健在です。
他にも、リズム隊が活躍している曲があったり、ギターアンサンブルを聞かせる曲があったり。違った魅力が見えてきています。
1. Making Plans for Nigel シングル曲
コリン作のシングル曲。
ギターが3つも出てきて絡み合っている。
2. Helicopter
ヘリコプターというタイトルらしく、やたらとせわしない曲。
こういう曲は2ndまでのXTCならバリーのキーボードが縦横無尽に活躍しているところだが、彼はもういない。
代わりにデイヴのギターが色付けに一役買っている。
3. Day in Day Out
コリン作曲。ドラムとベースがどっしりとしていてかっこいい!
こういう形でリズム隊が活躍している曲は、1stや2ndには見られなかったんじゃないかな。
4. When You're Near Me I Have Difficulty
注目はサビ後半。(Now I feeling like〜)
アンディお得意の怪しげなコード進行が光る。
5. Ten Feet Tall
コリンお得意の「なにやら奥ゆかしい」曲。
6. Roads Girdle the Globe
コリンのベースがウネウネとうねっている。
みんなで合唱するサビもいい。
7. Real by Reel
このアルバムで一番好きな曲。「我々はいつも監視されている!」
「パンを食べようか。この姿もたぶんテープに入るだろう。」と陽気に歌う。 恐らく深い意味はないでしょう。(笑)
彼らの脳天気な一面がよく出ている曲。
10. Outside World
勢いで押し切る曲。3分弱しかない。
歌詞も、「白鳥を6匹飼う彼女にとって、外の世界はどうでもいいことなのさ」 とよく意味がわからない。(笑)
11. Scissor Man
「悪い子にはシザー・マンがやってきてはさみで切られるぞ。」と脅している。
Bonus Track
13. Life Begins at the Hop シングル曲
15. Limelight
4. Black Sea (1980)
意図がよくわからない意味深なジャケットがおもしろい、XTCの4枚目のアルバム。
前作はキーボードのバリーが抜けてから初めてのアルバムだったということもあるのか、若干大人しめな印象でしたが、
今作ではまるでそれから吹っ切れたかような、リズム感溢れるアバンギャルドなギター・ロックを聞かせています。
また、プロデューサーにはスティーヴ・リリーホワイトを起用。
彼によるゲートエコーを巧みに利用した躍動感溢れるドラム・サウンドも聞き所です。
1. Respectable Street シングル曲
疾走感溢れる一曲目。シングルにもなった。
イントロが終わってから入ってくるギターリフが爽快。
こんなにリズム感を強調したギターリフが出てきたのはこれまでの作品で初めてではないだろうか。とても好きな曲。
2. Generals and Majors シングル曲
コリン作のシングル曲。ヒットを飛ばした。
3. Living Through Another Cuba
キチガイ曲。後半になるにつれてアンデイのボーカルのキチガイ度が増してくる。
4. Love at First Sight
コリン作曲。小気味いいギターリフを前面に押し出したミドルテンポの曲。
6. No Language in Our Lungs
ゆったりとした曲。ドラムがどっしりとしていて、かっこいい。
7. Towers of London シングル曲
シングル曲。このアルバムの中ではメロディも歌詞も一番ポップだと思う。
なにより全体の曲構成が見事。流れるようにサビへと導かれていく。
最後にはスッと滑りこむように転調して、大サビを歌い上げて終わる。素晴らしい。
8. Paper and Iron (Notes and Coins)
テリーのドラムが大活躍。「タカタカタッタ」というリズムが印象的。
9. Burning with Optimism's Flames
アンディお得意の変態曲。なんなんだこの曲は。
ラップがかったボーカルのAメロ、左右でギターがうごめくサビ前半、怪しくアンディが囁くサビ後半。凄い曲だ。
10. Sgt. Rock (Is Going to Help Me) シングル曲
シングル曲。一見地味だが、よく練られてできている。
2回目のAメロにコーラスが入ってきたり、サビも1回1回ごとに左のギターが違うことをやっていたり。
11. Travels in Nihilon
もの凄いテンション。これを締めに持ってくるとは・・・
Bonus Track
12. Smokeless Zone
13. Don't Lose Your Temper
騒がしい曲。「Don't lose your temper!」とサビで連呼している。
「腹を立てるなよ!」と歌詞では言っているわけだが、全くそのような曲調ではないのがおもしろい。
特に終わり際、2分15秒以降の左右2手に分かれたアンディのボーカルは、人をおちょくっているようにしか思えない。(笑)
5. English Settlement (1982)
XTC、5枚目のアルバムである本作は、ライブを切り取ったような勢いのある作風の前作から一転、
作曲や編曲など、スタジオワークに凝った作品になっています。
コード進行や曲そのものの雰囲気が怪しげな曲もぐっと増えてきましたね。
彼らの代名詞である「ひねくれポップ」とも言うべき、一番最初の作品ではないでしょうか。
1. Runaways
コリン作曲。1曲目からかなり音作りに凝っているのが分かる。
2. Ball and Chain シングル曲
コリン作曲。リズミカルなシングル曲。
曲自体は単純だがやはり編曲がかなり凝っている。テリーのドラムも忙しそう。
3. Senses Working Overtime シングル曲
アルバムのハイライト。シングルになり、大ヒットを飛ばした。
アコースティック・ギターからゆっくりと仰々しく始まるが、
歌詞はというと、結局は長々と「五感が働いているって何て素晴らしいんだ!!」と歌っているだけという、ナイスな曲。(笑)
テリーのドラムが素晴らしい仕事をしている。
特にサビの部分と、「one, two, three, four, five」(五感を数え上げている)とアンディが歌った後のフィルイン
一番最後のフィルインだけ、3連符でスネアとタムを叩いている。
4. Jason and the Argonauts
メチャクチャ凝ってるなあ・・・凄い曲だ。
5. No Thugs in Our House シングル曲
シングル曲。
6. Yacht Dance
華麗に滑るようなアコースティック・ギターが印象的な、三拍子の曲。
確かにダンスのように軽快な曲ではあるが、怪しげなコード進行が気になる。(笑)
7. All of a Sudden (It's Too Late)
ゆったりとのんびりとした曲調だが、結構物騒なことを歌っている。
8. Melt the Guns
「銃を溶かせ!」と連呼している。
曲の展開や編曲に凝りすぎて、もはやメッセージソングには聞こえない。(笑)
4分50秒あたりからアンディのボーカルが左右二手に分かれるところとか、 アメリカを強烈におちょくっているように感じる。
最後(5分30秒以降)とか、もう完全に遊んでいる。(笑)
9. Leisure
余暇についての曲。
のびやかにアンディが「レイジャー」と叫んでいる。
10. It's Nearly Africa
タイトル通りアフリカっぽいです。
11. Knuckle Down
のどかな雰囲気の曲。
15. Snowman
6. Mummer (1983)
プロデューサーが2回も変わったり、リハーサル中にドラムのテリーが脱退したり、
レーベルのヴァージンに発売延期を要求されたりと、ゴタゴタ続きの中発売されたXTCの6枚目。
そんな中発売された本作は、なんとフォーキーな作風。
トラディショナルであったり、ちょっとジャズっぽくあったり。大人しめの楽曲群です。
リズムを強調した4th「ブラック・シー」とは対極に位置するであろうアルバムなので、
そういったものを期待する人には物足りないかもしれませんが、まあ、こういうのもアリですよ。
こういった曲だからこそなのか、アンディ独特のコード進行が映えます。 コリン提供の2「Wonderland」も名曲ですよ!
1. Beating of Hearts
インドの民謡にありそうな雰囲気。こういうのもいいね。
2. Wonderland シングル曲
コリン作のシングル曲。有名曲。
のどかな雰囲気でとてもいいです。コリンのボーカルが凄いいいね。
ディレイがかかった低い音程のシンセが目立ってます。
3. Love on a Farmboy's Wages シングル曲
こちらも穏やかな曲。
ゆったりとした気分になれます。好きな曲。
4. Great Fire シングル曲
6. Human Alchemy
不気味。
7. Ladybird
ちょっとジャズっぽいオシャレな曲。
テリーの代わりにドラムを叩いているピート・フィリップスという人がいい仕事している。
こういう曲でもやっぱりコード進行はアンディ独特。流石。
9. Me and the Wind
なんだか落ち着かない曲。
ゆったりしたサビとのギャップがいかにもアンディっぽい。
10. Funk Pop a Roll
このアルバムの中では元気な曲。
Bonus Track
11. Frost Circus
12. Jump
結構好きな曲。
13. Toys
とても好きな曲。サビが凄いいい。普通にポップ。(笑)
これらのボーナストラックはいつの時代の曲なんだろう。ボツ曲なのかな。クオリティが高い。
アルバムに入れてもよかったんじゃないかと思うぐらい。
14. Gold
これもいいです。ブラスが入ってきて、リズム感もあって、楽しいです。
16. Desert Island
スパニッシュな佳曲。コード進行は相変わらず。
7. The Big Express (1984)
XTCの7枚目のアルバム。
フォーキーで大人しめな傾向が強かった前作と比べ、今作はロック・ニューウェーブ色が強いアルバムです。
ただ、リズムをやたらと強調した4枚目の「ブラック・シー」ほどストレートでもなく、
どの楽曲もひねくれた雰囲気やコード進行がねちっこくついて回ります。
トラッド色の強い2、ジャズ色の強い10もその例外ではなく、
なかなかXTCらしい、絶妙なバランスを保った良作だと思います。
1. Wake Up シングル曲
コリン作のシングル曲。メタリックな雰囲気が漂う。
イントロから聞こえるリズムを互いにズラした左右のギターが印象的。
2. All You Pretty Girls シングル曲
船乗りの歌。まるで伝統歌のような曲調。
しかし所々怪しげなコード進行が隠れているのがアンディらしい。
3. Shake You Donkey Up
キャプテン・ビーフハートを意識して作った曲らしい。
確かにそれっぽいかも。
でもやりたい放題ではなくきちんと全体としてまとまっているところが凄い。
4. Seagulls Screaming Kiss Her, Kiss Her
全体的にくぐもった曲調の変態的な楽曲。
5. This World Over シングル曲
シングル。XTCには珍しい歌詞も曲調もシリアスな楽曲。
7. I Bought Myself a Liarbird
バンドと金銭トラブルとなったマネージャーに当てた曲らしい。
曲調も歌詞もまさにXTCといった感じ。こんな曲でなじられたら何も言えまい。
8. Reign of Blows (Vote No Violence!)
イントロのリフがやたらロックでXTCらしくない・・
が、次第に曲はXTCのひねくれた世界へ引きずり込まれていく。
10. I Remember the Sun
コリン作曲。ジャズっぽい。
Bonus Track
12. Red Brick Dream
13. Washaway
コリン作曲。音の重ね方が面白い。

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