XTCのデビューアルバム。
とにかくせわしなくて、騒々しいという印象。 ギターとキーボードがそれを演出しています。 しかし、5のStatue of Libertyのようにアンディのポップ感覚が遺憾なく発揮されている曲もあり、飽きさせません。
1. Radios in Motion
呑気な曲調で電波について歌う。電波って、あのラジオとかの電波です。
歌詞の意味自体はよくわかりませんが、彼らの脳天気な一面がよく出ています。 サビで左から聞こえてくるファルセットが素敵。
3. This is Pop
シングルにもなった曲。アルバムのハイライトなのかな。
ざらついたギターで、シリアスなイントロから始まります。 シリアスなままかと思いきや、Bメロで方向転換。サビでは一転ポップな曲調に。 アンディの作曲センスが光ります。歌詞もおもしろい。 サビでのバリーの小気味良いキーボードも聞き所。 PVではレコードを片手に「This is Pop!」と叫んでいます。
5. Statue of Liberty
ニューウェーブ・バンドとは思えないほどポップ!
アンディのポップセンスがもう垣間見えている。
バリーがキーボードでこれでもかと活躍しているので、彼ららしさもある。 |
1stと同年に発売された2nd。デビューした勢いで、短期間で録音したようです。
ジャケットが面白い。文章の羅列。ちなみに、一番最初には「This is a RECORD COBER.」と書いてある。うむ確かに。(笑)
バリーが在籍していたのはこのアルバムまで。
基本的に1stと同じ方向性ですが、怪しげな曲が増えたように感じます。コード進行とか雰囲気とか。
4. Crowded Room
コリン作曲。
「人混みあふれた部屋でお前を見つけたけど、オレは人混みが嫌いなんだよ! あきらめるか。早く出よう、非常階段はどこだ!!」という意味不明な歌詞。(笑) サビの後半、(Walk down the fire 〜)に見せる唐突な展開が、初期のトーキング・ヘッズにそっくり。 |
キーボードのバリーが抜け、ギターとキーボード、両方弾ける器用なデイヴが加入した3rd。
キーボードが弾けるといってもそれが目立つようなことはなく、主にギターに重きが置かれているようです。 前作までは大雑把だったギターが、細かく動き回っています。
前作、前々作はバリーが大活躍していたので、それと比べると今作は地味かな。大人しめな曲が多め。
しかし、彼らの独特な「怪しさ」は健在です。 他にも、リズム隊が活躍している曲があったり、ギターアンサンブルを聞かせる曲があったり。違った魅力が見えてきています。
2. Helicopter
ヘリコプターというタイトルらしく、やたらとせわしない曲。
こういう曲は2ndまでのXTCならバリーのキーボードが縦横無尽に活躍しているところだが、彼はもういない。 代わりにデイヴのギターが色付けに一役買っている。
7. Real by Reel
このアルバムで一番好きな曲。「我々はいつも監視されている!」
「パンを食べようか。この姿もたぶんテープに入るだろう。」と陽気に歌う。 恐らく深い意味はないでしょう。(笑) 彼らの脳天気な一面がよく出ている曲。 |
意図がよくわからない意味深なジャケットがおもしろい、XTCの4枚目のアルバム。
前作はキーボードのバリーが抜けてから初めてのアルバムだったということもあるのか、若干大人しめな印象でしたが、 今作ではまるでそれから吹っ切れたかような、リズム感溢れるアバンギャルドなギター・ロックを聞かせています。
また、プロデューサーにはスティーヴ・リリーホワイトを起用。
彼によるゲートエコーを巧みに利用した躍動感溢れるドラム・サウンドも聞き所です。
1. Respectable Street
疾走感溢れる一曲目。シングルにもなった。
イントロが終わってから入ってくるギターリフが爽快。 こんなにリズム感を強調したギターリフが出てきたのはこれまでの作品で初めてではないだろうか。とても好きな曲。
7. Towers of London
シングル曲。このアルバムの中ではメロディも歌詞も一番ポップだと思う。
なにより全体の曲構成が見事。流れるようにサビへと導かれていく。 最後にはスッと滑りこむように転調して、大サビを歌い上げて終わる。素晴らしい。
9. Burning with Optimism's Flames
アンディお得意の変態曲。なんなんだこの曲は。
ラップがかったボーカルのAメロ、左右でギターがうごめくサビ前半、怪しくアンディが囁くサビ後半。凄い曲だ。
10. Sgt. Rock (Is Going to Help Me)
シングル曲。一見地味だが、よく練られてできている。
2回目のAメロにコーラスが入ってきたり、サビも1回1回ごとに左のギターが違うことをやっていたり。
13. Don't Lose Your Temper
騒がしい曲。「Don't lose your temper!」とサビで連呼している。
「腹を立てるなよ!」と歌詞では言っているわけだが、全くそのような曲調ではないのがおもしろい。 特に終わり際、2分15秒以降の左右2手に分かれたアンディのボーカルは、人をおちょくっているようにしか思えない。(笑) |
XTC、5枚目のアルバムである本作は、ライブを切り取ったような勢いのある作風の前作から一転、
作曲や編曲など、スタジオワークに凝った作品になっています。
コード進行や曲そのものの雰囲気が怪しげな曲もぐっと増えてきましたね。
彼らの代名詞である「ひねくれポップ」とも言うべき、一番最初の作品ではないでしょうか。
3. Senses Working Overtime
アルバムのハイライト。シングルになり、大ヒットを飛ばした。
アコースティック・ギターからゆっくりと仰々しく始まるが、 歌詞はというと、結局は長々と「五感が働いているって何て素晴らしいんだ!!」と歌っているだけという、ナイスな曲。(笑)
テリーのドラムが素晴らしい仕事をしている。
特にサビの部分と、「one, two, three, four, five」(五感を数え上げている)とアンディが歌った後のフィルイン。 一番最後のフィルインだけ、3連符でスネアとタムを叩いている。
8. Melt the Guns
「銃を溶かせ!」と連呼している。
曲の展開や編曲に凝りすぎて、もはやメッセージソングには聞こえない。(笑) 4分50秒あたりからアンディのボーカルが左右二手に分かれるところとか、 アメリカを強烈におちょくっているように感じる。 最後(5分30秒以降)とか、もう完全に遊んでいる。(笑) |
プロデューサーが2回も変わったり、リハーサル中にドラムのテリーが脱退したり、
レーベルのヴァージンに発売延期を要求されたりと、ゴタゴタ続きの中発売されたXTCの6枚目。
そんな中発売された本作は、なんとフォーキーな作風。
トラディショナルであったり、ちょっとジャズっぽくあったり。大人しめの楽曲群です。
リズムを強調した4th「ブラック・シー」とは対極に位置するであろうアルバムなので、
そういったものを期待する人には物足りないかもしれませんが、まあ、こういうのもアリですよ。 こういった曲だからこそなのか、アンディ独特のコード進行が映えます。 コリン提供の2「Wonderland」も名曲ですよ!
13. Toys
とても好きな曲。サビが凄いいい。普通にポップ。(笑)
これらのボーナストラックはいつの時代の曲なんだろう。ボツ曲なのかな。クオリティが高い。 アルバムに入れてもよかったんじゃないかと思うぐらい。 |
XTCの7枚目のアルバム。
フォーキーで大人しめな傾向が強かった前作と比べ、今作はロック・ニューウェーブ色が強いアルバムです。
ただ、リズムをやたらと強調した4枚目の「ブラック・シー」ほどストレートでもなく、
どの楽曲もひねくれた雰囲気やコード進行がねちっこくついて回ります。
トラッド色の強い2、ジャズ色の強い10もその例外ではなく、
なかなかXTCらしい、絶妙なバランスを保った良作だと思います。 |