ほうぼうの評論家に絶賛をもって迎えられた、衝撃的なテレヴィジョンのデビューアルバム。
一般的にはテレヴィジョンといえばこのアルバム。
テレヴィジョンは次の2作目のアルバムを発表した後に解散してしまいますが(後に再結成)、そちらのアルバムは思ったような評価を得られず、音楽誌に酷評を受けてしまいます。
ヴァーレインはその2ndアルバムの評価に不満だったようですが、確かにこの1stアルバムにしかない空気があるのも事実のように思えます。 本人たちも再現不可能(?)な、独特の緊張感にまみれた奇跡のアルバムといえるでしょう。
1. See No Evil
スピード感のあるドタバタしたオープニングナンバー。
特にドラムのドタバタ具合がいい。中でも2回目以降のサビの前に入るフィルイン(1:30あたり)がお気に入り。 右のロイドのオーバーダビングされたギターもスピード感を上手く演出している。
4. Marquee Moon
ヴァーレインのギターソロを堪能できる、長尺の有名なナンバー。
単純なビートも退屈させない、リズム隊のフレッドとビリーの力量も大きい。 ビリーは曲の展開に合わせてなかなか白熱したドラムを聞かせている。
6. Guiding Light
一転ピアノも入って、ギターのアルペジオの印象的な、優しい曲調のバラード。
ヴァーレインの声もこんなに曲によって印象が変わるものなのか、囁くような優しいボーカルを聞かせている。 フレッドのベースもいい具合で跳ね回っていて心地よい。 |
明るい曲も増え、テンポもスローなものが増えたテレヴィジョンのセカンド。
しかし、評論家や音楽誌の評価は芳しくなかったよう。 どうやら、世間は1stのようにもっと緊張感のあふれた、濃密な作品を期待していたようです。
前作の華々しいデビューもあり、商業的なヒットを狙った作品であるようで、特に1や7などはヴァーレインの独特な歌声を活かしたなかなか痛快なギターポップナンバーとなっています。
その他、幻想的な楽曲(2・5・6・8)が数多く配置され、テレヴィジョンしか出せない世界観も上手く表現できていると思います。
いかんせん肩透かしを食らった評論家により理不尽な酷評を受けた感のある悲劇のアルバム。(笑)
当時の評判はさておき、ゆったりとしたこちらの方が好きという方も数多くいます。是非聞いてみてください。 発売の順番が逆なら当時でもいい評価を受けていたんじゃないかなあ。 |