ミュージシャン


Television [Wikipedia] [YouTube] [Amazon]
緊張感のある独特のサウンドで世間に衝撃を与えた、ニューヨーク・パンク・バンド。
一般のパンク・バンド(もちろん普通のロック・バンドも)とは一線を画した、今にも崩れ落ちてしまいそうな、繊細なガラス球のようなサウンドが特徴。
中でもそれを特徴付けているのがフロントマンであるトム・ヴァーレイン。
甲高い独特な歌声と、痙攣するようなギターでバンドをあらぬ方向へ妖しく牽引しています。
パンクというのはそれまでのマッチョなロック(その象徴がレッド・ツェッペリン)からの脱却を計ったムーヴメントなわけですが、
もちろんそういったマッチョ性とは対極にあるし、かといって他の多くのパンク・バンドのように単純でもない。不思議なバンドです。
恐らく歴史的な経緯から彼らはパンク・バンドとして認識されていると思うのですが、その魅力は聞いてもらわないとわからないでしょう。是非一聴をオススメします。
主なメンバー
トム・ヴァーレイン
素っ頓狂な歌声に、痙攣するようなギター。唯一無二のギター・ボーカリスト。 文学的な歌詞も評価が高い。
リチャード・ロイド
ギタリスト。小技担当。確かな技術でヴァーレインとの素晴らしいツインギターを聞かせる。
フレッド・スミス
ベーシスト。ビリーが結構無茶をしているのでバンドの屋台骨といえる。
かといってカチカチっとしたタイトなベースを聞かせるわけでもなく、心地よい緩い演奏でバランスよくバンドを支える。
ビリー・フィッカ
ドラマー。ドタバタドラムで楽曲を彩る。単純なビートも飽きさせない。まるでヴァーレインに対抗しているかのよう。
ディスコグラフィー
01. Marquee Moon (1977)
02. Adventure (1978)
03. Television (1992)
1. Marquee Moon (1977)
ほうぼうの評論家に絶賛をもって迎えられた、衝撃的なテレヴィジョンのデビューアルバム。
一般的にはテレヴィジョンといえばこのアルバム。
テレヴィジョンは次の2作目のアルバムを発表した後に解散してしまいますが(後に再結成)、そちらのアルバムは思ったような評価を得られず、音楽誌に酷評を受けてしまいます。
ヴァーレインはその2ndアルバムの評価に不満だったようですが、確かにこの1stアルバムにしかない空気があるのも事実のように思えます。
本人たちも再現不可能(?)な、独特の緊張感にまみれた奇跡のアルバムといえるでしょう。
1. See No Evil
スピード感のあるドタバタしたオープニングナンバー。
特にドラムのドタバタ具合がいい。中でも2回目以降のサビの前に入るフィルイン(1:30あたり)がお気に入り。
右のロイドのオーバーダビングされたギターもスピード感を上手く演出している。
2. Venus
右から聞こえる非常に澄んだ音色のギターが印象的。
サビのコーラスとの掛け合いもおもしろい。「ハア?」
3. Friction
緊張感あふれる演奏に、痙攣するような、うごめくようなギターが印象的。
4. Marquee Moon シングル曲
ヴァーレインのギターソロを堪能できる、長尺の有名なナンバー。
単純なビートも退屈させない、リズム隊のフレッドとビリーの力量も大きい。
ビリーは曲の展開に合わせてなかなか白熱したドラムを聞かせている。
5. Elevation
警報のように繰り返される真ん中のギター、左右から聞こえてくるギターのアルペジオ。
焦燥感や孤独感を煽ってくるような、独特の雰囲気あふれる名曲。
6. Guiding Light
一転ピアノも入って、ギターのアルペジオの印象的な、優しい曲調のバラード。
ヴァーレインの声もこんなに曲によって印象が変わるものなのか、囁くような優しいボーカルを聞かせている。
フレッドのベースもいい具合で跳ね回っていて心地よい。
7. Prove It シングル曲
8. Torn Curtain
ヴァーレイン曰く「不気味なコードを持つバラード」。
確かに怪しげな雰囲気にあふれている。若干演歌っぽい要素もあるような。
Bonus Track
9. Little Johnny Jewel (Parts 1 & 2)
メジャーデビュー前のシングル。
10. Untitled
2. Adventure (1978)
明るい曲も増え、テンポもスローなものが増えたテレヴィジョンのセカンド。
しかし、評論家や音楽誌の評価は芳しくなかったよう。
どうやら、世間は1stのようにもっと緊張感のあふれた、濃密な作品を期待していたようです。
前作の華々しいデビューもあり、商業的なヒットを狙った作品であるようで、特に1や7などはヴァーレインの独特な歌声を活かしたなかなか痛快なギターポップナンバーとなっています。
その他、幻想的な楽曲(2・5・6・8)が数多く配置され、テレヴィジョンしか出せない世界観も上手く表現できていると思います。
いかんせん肩透かしを食らった評論家により理不尽な酷評を受けた感のある悲劇のアルバム。(笑)
当時の評判はさておき、ゆったりとしたこちらの方が好きという方も数多くいます。是非聞いてみてください。
発売の順番が逆なら当時でもいい評価を受けていたんじゃないかなあ。
1. Glory シングル曲
左右から聞こえる印象的なギターリフを中心とした、痛快なギターポップナンバー。
テレヴィジョンでは一番明るい楽曲の一つではないでしょうか。
ヴァーレインが飄々とした朗らかなボーカルを聞かせていて、ベースも小気味よいリズムで心地いい。好きな曲。
2. Days
3. Foxhole シングル曲
4. Careful
5. Carried Away
幻想的な、情緒あふれる優しいバラード。
6. The Fire
こちらも独特の雰囲気あふれる曲。ヴァーレイン曰く「東欧っぽい曲を作りたかった」らしい。
確かに異郷でも旅しているような、孤独感が伝わってくるような曲調だ。後半のギターソロ(3:40付近以降)は圧巻。
7. Ain't That Nothin'
コミカルで小気味いい左のギターリフが印象的なギターポップナンバー。
8. The Dream's Dream
長尺で幻想的。ラストにふさわしいナンバー。
Bonus Track
9. Adventure

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