邦題、「サイコ・キラー'77」。トーキング・ヘッズのデビューアルバム。
彼らが一番「ニューウェーブ」していたアルバムだと思います。
バーンの奇怪なボーカル、そして特異な曲作りにばかり目が行きがちですが、
ポップで多彩な展開を聞かせているのも大きな特徴。
そのあたりが、普通のニューウェーブ・バンドと一線を画します。 2nd以降、ミニマルな方向にシフトしていくのがちょっと信じられないくらいです。
1. Uh-Oh, Love Comes to Town
スティール・ドラムが鳴り響く、陽気なこの曲で幕開け。
デビュー・アルバムの最初の曲にしてはかなり拍子抜けだが、いい曲。 最初にこれを持ってくるあたり、一筋縄ではいかない感じが伝わってくる。
8. Don't Worry About the Government
次々と曲が展開していく、楽しい曲。
バーンはやはり曲作りの天才!3分しかない曲だが、情報量が凄い。 特にお気に入りは最後。(Don't you worry about〜) トーキング・ヘッズは徐々にミニマルな方向にシフトしていくので、 こういった曲が聞ける1stは貴重だと思う。
9. First Week/Last Week…Carefree
いい曲!聞き所は1分後半からサックスとバーンのスキャットが入る部分。
こういう展開を聞かせるニューウェーブ・バンドはなかなかいないと思う。
11. Pulled Up
こちらもかなりテンションの高い曲。かき鳴らされるギターがそれを盛り上げる。
後半にはバーンのテンションが最高潮に。 卒倒するんじゃないかと思うぐらいに叫び倒して曲は終わる。 |
邦題、「モア・ソングス」。トーキング・ヘッズの2ndアルバム。
ここからガラッと雰囲気が変わってきます。名作と言われる4枚目「リメイン・イン・ライト」の方向性へと一直線。
バンドのグルーヴを重視し始め、バーンのボーカルももう歌とは言えないような、わめくような、話し掛けるようなスタイルになってきています。
しかし2の「With Our Love」など、まだまだ1stのように多彩な展開を聞かせるような曲も一部残っていて、過渡期のアルバムと言えるでしょう。
1. Thank You for Sending Me an Angel
初っ端から、グルーヴに重きを置いた演奏を聞かせている。
1stとは明らかに方向性が違うのが分かる。 しかしバーンのボーカルは相変わらず強烈だなあ。(笑)
3. The Good Thing
Aメロの浮遊感がたまらない曲。
コーラスを交えて合唱したり、ハンドクラップを入れたり、色々と実験しているようだ。 終わり際、2分30秒あたりから唐突に盛り上がりを見せるのも見事。 |
演奏は機械的になり、歌詞も神経症的なものが多くなってきた、3枚目。
ミニマルな傾向も強くなってきており、
それがヒステリックな歌詞、バーンの素頓狂なボーカルとよくマッチしていて、 不気味だがそれでいて心地いい、不思議な楽曲の世界観を作り出しています。
また、1曲目にはアフリカン・ファンクが大胆に取り入られており、次作への方向性を感じさせます。
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ついに全曲ワンコードのみとなってしまったトーキング・ヘッズの4枚目。
アフリカン・ファンク(僕自身どういうものかよくは知りませんが確かにアフリカっぽいです) に接近しまくった名盤です。多彩なコード展開を見せていた1stの面影はどこへやら。
オケは小細工を除けばほとんど同じ演奏を続けていて、
(その同じフレーズの中で生み出される微妙なニュアンスの違いが曲を深いものにしているのはもちろんですが) 曲が展開するのはほぼバーンのボーカルによってのみ。 その展開のさせ方がものの見事で、曲の長さも4分超なものも多いのですが飽きさせません。
ただこれまでのアルバムとも比べ物にならないくらいに強烈で個性的なアルバムになってしまっているので、
人は選ぶかな。(笑) |