ミュージシャン


Happy Mondays [Wikipedia] [YouTube] [Amazon]
マンチェスターの誇る、デタラメ・ダンス・ロック・バンド。
いわゆる「マッドチェスター」といわれるムーブメントの代表的なバンドで、僕は「マッドチェスター」と言うとこのバンドを真っ先に思い浮かべます。狂った感じがぴったりでしょ。
そのサウンドは、とにかく異質。傑作と呼ばれる3rdはともかく、1stはデタラメそのもの。
でもなんとなくノれてしまうのが恐ろしいところです。
しかし人によってはただのワルフザケにしか聞こえないと思うので、好みの分かれるバンドかな。
真面目な人は3rdから聞こう。3rdがよく思えないなら、もうムリです。(笑)
主なメンバー
ショーン・ライダー
ボーカルで、フロントマン。でたらめボーカル。野太い声で、ノリノリでまくしたてる。
ベズ
ベズ担当。実態はといえば、ライブで適当にひらひらと踊っているだけ。(笑)
ウィキペディアにも「音楽的貢献度ゼロのフロント・メンバーとして知られる。」と書いてあります。

1. Squirrel and G-Man Twenty Four Hour Party People Plastic Face Carnt Smile (White Out) (1987)
 キチガイみたいに長い名前のアルバムで登場。
不思議なアルバム。いや、不思議といっても、真面目に聞くようなアルバムではないです。(笑)
 演奏はほんとにデタラメで、特に怪しいのがベース。音程もリズムも合っているのかこれ?という感じ。僕は作曲家でも演奏家でもないので詳しいことはわかりませんが。
しかし何とも言えない味を出しているのは、彼らの才能なのか、それともプロデューサーのジョン・ケイル(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)の才能なのか。両方が噛み合わさったからかもしれません。
 デタラメ過ぎて金太郎飴になってしまったアルバム。つまりもはや全部同じ曲に聞こえる、ということです。
適当な曲番で再生ボタンを押して、リピートボタンも押して、ひとしきり聞いて、飽きたら聞くのをやめましょう。(笑)
 YouTubeのリンクも貼ってありますが、恐らく1曲1曲ちまちま聞くようなものではありません。 アルバム単位で聞くのをオススメします。
アルバム全体を通して聞いて、「なんじゃこりゃ!結局こいつら全部デタラメじゃねーか!!」とツッコむようなアルバムだと思います。
でも買って後悔しても僕を恨まないでね。(笑)
1. Kuff Dam
早くも謎のグルーヴ全開で幕を開ける。
いやこれはグルーヴなのか?そして音程が合っているような合っていないような怪しげなベースは一体なんなんだ?
2. Tart Tart
ギターのアルペジオで始まる。
なので最初おっ?と思うが、数秒経つとまたあのデタラメなセッションが。思わず「また同じ曲じゃねーか!」と突っ込みたくなる。
まあそういうアルバムなのです。
そして、なにやらドラムが頑張っている。ギターも右チャンネルでやたらガチャガチャうるさいし、違う曲なんだぞ!とアピールしているかのようです。
3. 'Enery
お、今度はベースで始まったぞ。まあその後はお察しの通りです。(笑)
結構短い曲です。唐突に終わります。もう飽きてきたのかな。
4. Russell
今度はドラムからだぞ?その後にやはりデタラメなセッションが始まるが、少し趣向を変えてきたように思う。
だけどショーンのボーカルは相変わらずなのね。後半はもう歌うことがなくなったのか黙りだし、ボーカルのないまま曲が終わる。5分もオケを作るからだ。
地味に鳴り響いているキーボードのリフがなかなかいい味を出している。
5. Olive Oil
お間抜けなベースソロから幕開け!フレーズはもちろんのこと、その音からして間抜けだ。
だけどちょっといい曲かも。終わり際のギターのアルペジオもオシャレ。
しかしベースがやり放題やっているのでそれが雰囲気を壊している。(笑)
6. Weekend S
1〜3とほぼ同じ曲調。 特徴といえば、ドラムのタムがやたらとうるさい。
しかし、そのどういう意図なのか全くわからないところがいい。(笑)
ボーカルのショーンは、もう歌うことが本格的になくなってきたのか、「バンバラバンバン」とか言い出した。最後はみんなで「バンバン」と大合唱。こいつらなにやってるんだ。
7. Little Matchstick Owen
ベースが凄い。やりたい放題やっている。
ねちっこいショーンのボーカルにも注目。統一感の全くないまま曲は終わる。
8. Oasis
お得意のデタラメセッションが続く。
ショーンのボーカルも相変わらずで、最後「ハイハイハイ〜」と連呼してから曲は終わる。
9. 24 Hour Party People
 デタラメながらも、なにやら気合いが入っているぞ?
間抜けなはずのベースも、それはそれでサマになっている。
このアルバムのハイライト。今までフザけにフザけてきた分、いい曲に聞こえる。(笑)
中盤に入ってくるギターのカッティングもいい。 編曲に力が入っていて、ちょっと本気になった感じ。
 英語版ウィキペディアによると、実はこの曲、最初は収録されていなかったとのこと。
Desmond」という曲が当初は入っていたが、ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」からメロディの大部分を拝借していたため、問題になり、数百枚プレスした時点でこの曲に差し替えられたそうです。
 YouTubeで聞けます。たしかにメロディはモロパクリではあるのですが、うーんこの人たちの演奏では全く一緒には聞こえない。(笑)
ショーンのボーカルも音程があってないようなものだし、これはもう別物と考えていいのではないか?と思うのですが、そうはいかなかったようですね。
こちらもなかなか好きな曲。こんなカバー、聞いたことがありません。
 ということでこの「24 Hour Party People」ですが、遅れて収録したからクオリティが高いのか、それともただのボツ曲だったのかは不明。
もしボツ曲だとしたら、迷うことなく入れろよと思うのだが。
確かにクオリティの違いからか、他の曲と比べると浮いてしまうところはあるかもしれません。
10. Cob 20
せっかくいい曲が来たと思ったのに、それで締めないのがなんとも彼ららしい。
遅れぎみにエコーたっぷりのショーンのボーカルが、満を持して登場。ちょっとうるさい。(笑)
好き放題歌って、アルバムは終わる。
11. Little Matchstick Owen's Rap
クレジットだけされている曲。このアルバム自体には入っていません。
書いてあるだけ。ただの表記ミスなのか、それとも。
2のTart TartのシングルB面としてのみ、収録されているとのこと。
YouTubeで聞けます。相変わらずデタラメですが、何故かボーカルがショーンじゃない。サウンドエンジニアの、Mike Bleachという人だそうです。
2. Bummed (1988)
邦題、「ならず者」。
基本的に1stと方向性は変わりませんが、編曲で各曲に違いを出そうとしているように感じます。(つまり、ショーンのでたらめボーカルにほぼ変化なし!(笑))
プロデューサーが変わったからなのかな。その大雑把な編曲が、なかなかいい味を出しています。
あと、ドラムがやたら豪快で心地いいです。
1. Country Song
力の抜けたギターが印象的。
バスドラムがドスドスリズムを刻む、陽気な曲。
2. Moving in With
何の音なんだろう。左右でガチャガチャうるさい。
編曲面で各トラックの違いを出そう、という魂胆が見え見え。(笑)
3. Mad Cyril
派手なシンセがタイミングよく鳴って、曲を盛り上げる。
4. Fat Lady Wrestlers
いい曲!サビは何て言っているんだろう。なにかのフレーズを連呼している。
ベースのリフもなかなかいい。
5. Performance
ギターのバッキングがショーンの後ろで大げさに鳴っている。
6. Brain Dead
ドラムがやたらとうるさい!ベースも目立っている。
7. Wrote for Luck
印象的なギターのバッキングで開幕。「アーアー」と連呼するサビがおもしろい。
6分とやたらと長い。「アーアー」とうだうだやって、楽器が休んだり交代したりしながら同じフレーズを繰り返して終わります。
有名な曲。「W.F.L.」と名前を変えて後に何度かリミックスされますが、その原曲。
8. Bring a Friend
1コードかと思いきや、たまにコードが変わったりして(50秒あたり)調子を狂わされる。不思議な曲。
9. Do It Better
ショーンのボーカルが元気!やたらと声を張って頑張っている。
右から聞こえる謎のコーラスが不気味。好きな曲。
10. Lazyitis
シタールが印象的な曲。
この曲も1stに収録されるはずだった「Desmond」と同じく、ビートルズの「Ticket to Ride」からメロディを拝借している。
まあ同じ曲には聞こえないが。(笑) こちらは問題を解決したのか、収録されてますね。
Bonus Track
11. Boom
ボーナストラック。いつの時代の曲なんだろう?ボツ曲かな?
シンセ(オルガン?)が独特な雰囲気を出していて、結構いい曲。
12. W.F.L. (Special Club Remix by Vince Clarke)
 7の「Wrote for Luck」のリミックスもボーナストラックとして収録されてました。「W.F.L.」と名前を変えてます。
「Wrote for Luck」のリミックスとしては、このリミックスが一番有名なのかな。
 リミックスの文化とか手法はあまり詳しくないのですが、凄いですね。ここまで変わるかという感じ。
サビ2回目から「アーアー」とうなるショーンのボーカルに合いの手のように入るシンセが気持ちいい!!
大雑把な原曲もいいですが、こじんまりとまとまったこちらのリミックスも素敵です。
 リミックスしたヴィンス・クラークという人は、元デペッシュ・モードの人です。
デペッシュ・モードの1stで作曲を主に担っていた人で、「Just Can't Get Enough」などシンセポップでヒットを飛ばしました。
こんなところでも活躍していたんですね。
 ちなみにこのボーナストラックは僕が買ったCDにたまたま付いてきただけです。
他のCDについているかはわからないので買うときは注意してね。(他のレビューでも同じことが言えますが)
3. Pills 'n' Thrills and Bellyaches (1990)
ハッピー・マンデーズの3rdアルバム。
なんだかよくわからないけど、もの凄くクオリティが上がっています。
作曲もそうだし、なにより編曲が凄い。プロデューサーの力もあるのかな。
2ndまでのイメージで聞くと、1曲目からまず圧倒されると思います。大ヒットしたのも頷ける出来栄えです。
しかし、そのクオリティの高さゆえに、逆に「マンデーズらしくない」というファンの意見も。
まあ、せっかくですから、どちらも楽しみましょう。(笑)
1. Kinky Afro
シングル曲。初っ端からなんだこのクオリティは。
2ndまでのハッピー・マンデーズからは考えられない。
特にサビが終わってから入るギターとか、貫禄たっぷり。いいナンバーです。
2. God's Cop
大音量で大雑把に鳴り響くギター、堅く引き締まったドラム。
ショーンのボーカルも上手い具合にいい加減で、心地いいです。
3. Donovan
前半は地味だが、2分あたりからドラムが大爆発。
4. Grandbag's Funeral
全編に渡ってギターリフが大音量で響き渡っている。
その上にショーンが適当にボーカルを乗せていく。好きな曲。
5. Loose Fit
シングル曲。静かで怪しげな曲。
冒頭を飾るギターリフがその怪しい雰囲気を上手く演出している。
最後はリフを鳴らしたままゆっくりとフェードアウト。うーん魅せ方が上手い。
6. Dennis and Lois
陽気な曲。女性ボーカルと一緒にショーンが無邪気に歌う。
ちょっと少年っぽいような、悪意の全くない底抜けの明るさが出ている、というような。
こういう曲はハッピー・マンデーズには珍しいと思う。
普通のマンデーズの曲にはどこかに大人のインチキ臭さみたいなものが漂っているもんね。(笑)
7. Bob's Yer Uncle
シングル曲。これボーカルはショーンだよね?
もの凄い低い声で妖しく囁いている。歌詞も大人な内容。セクシーな曲。
8. Step On
シングル曲。大ヒットを飛ばした、ハッピー・マンデーズの代表曲。
ジョン・コンゴスというミュージシャンのカバーです。
イントロのお間抜けなピアノがたまらない!
ショーンのボーカルも歌の部分以外にも所々入ってきていて、細かい仕事をしている。
編曲もこのアルバムの中で一番力を入れているように感じます。非常に凝っていて、素晴らしい曲。
9. Holiday
10. Harmony
遂に世界平和について歌い出したぞ。
締めにこの曲を持ってくるとは。今までの破天荒な音楽性からは考えられないなあ。(笑)
でもなかなかいい曲です。のどかで優しい雰囲気が漂っています。
だけど最後フェードアウトじゃなくてブツ切りなのね。
フェードアウトしとけばかっこ良かったのに。(笑)
ここで素直にフェードアウトしておかないところが、彼ららしさなのかもしれません。

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